山河月光
-み空行く月の光にただ一目あひ見し人の
夢にし見ゆる-
リトグラフ 本金泥手彩色 本金箔手押し
W820mm×H510mm
 
 
 
 み空行く月の光にただ一目あひ見し人の夢にし見ゆる
                (万葉集巻四 710)

 月の光の中でたった一度お目にかかっただけの方が夢
に見えます、というような意味の歌であるが、この歌に
込められた情感は現代に生きる私たちの感覚とは異質な
ものかもしれない。機械文明の発達した今、自然と共に
暮らし、自然の中で磨かれた感性に学ばなければと思う。
 日本には浮世絵などの木版画の伝統がある。この作品
は浮世絵のように何度も何度も版を重ね(39版)、仕
上げに金箔を手押しし金泥を手彩色をした、いわば版画
と絵画の中間に位置するものである。

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